木材だけじゃない!太陽光パネルも高騰中?
2021.06.21
皆さんこんにちは!
新潟で自家消費型の太陽光発電のことならテクノナガイにお任せ!
テクノナガイの渋谷です!
最近、「ウッドショック」という言葉を耳にするようになりました。
これは木材の供給逼迫および木材価格の高騰に伴い、大きな混乱が起きていることを指す言葉です。
「オイルショック」の木材版 というイメージを持っていただければ分かりやすいかと思います
「ウッドショック」は、アメリカでは2020年半ばからこのような事態になるのではとささやかれはじめ、日本では2021年3月頃から表面化したと言われています。
この「ウッドショック」自体は過去にも2度起きています。
1回目は1992~1993年、2回目はリーマン・ショック直後の2008年に起きており、今回の2021年は3回目のウッドショックとなります。
この原因として、アメリカの住宅バブルや中国の経済回復による木材需要増、海上輸送コンテナ不足という国外の問題。
日本国内では海外産の安価な輸入木材を主流に使うため、国内林業が縮小傾向にあったこと、など国内外の要因が重なり合って起きているとされています。
ある調査では、木材の取引価格が1年で4倍程度に高騰したというデータも出ており、「ウッドショックは比較的長期間続くのでは」という見解もあり、日本国内でもすでにその影響が出始めています。
ある住宅では、新築住宅用の木材が足りずに建築が遅れているところもあり、業者の中には住宅価格の値上げや、木材供給が足りず受注を止めた所も出始めているようです。
実は、このウッドショックの裏で「太陽光パネル」の高騰も起きているのです。
===目次======================
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1.太陽光発電設備価格の推移
住宅用・産業用の太陽光発電が世の中に普及し始めて、10年余りが経過しました。
これまで太陽光パネルや設備部材は、各メーカーの研究が進み国内外で需要が高まるにつれ、徐々に価格が低下してきました。
※調達価格等算定委員会公開資料より抜粋
こちらの図は太陽光発電システムを導入する際の設備全体の金額となりますが、2012年には「1kwあたり42万円ほど」だった価格が、2020年には「1kwあたり25万円ほど」にまで下がり、この8年間で約40%も値下がりしていました。
しかし、この設備費用の中で太陽光パネルの価格は2020年の夏~秋頃にかけ値上がりが始まり、2021年春には今までの約10~20%ほど値上がりを見せています。
そして、この値上がりはこれからもまだまだ続くと言われています。
果たして、この高騰の原因は何にあるのでしょうか?
2. 太陽光パネル価格 高騰の理由
現在、太陽光パネルの価格が高騰している理由は主に次の2つと言われています。
【材料費の高騰】
まず理由の1つ目として材料費の高騰があげられます。中でもガラスの値上がりは特に深刻と言われています。
太陽光パネルの表にある発電面には高強度のガラスが使用されており、近年ではパネル1枚あたりが大容量大型化してきていること。
また、発電面を表側だけでなく裏側にも設けて、地面からの反射光でも発電量を稼ぐような太陽光パネルも多く出荷されるようになり、ガラスの必要量が増えていたことが挙げられます。
また、ガラス製造業に関しても、エネルギー消費量も多く環境汚染物質の排出もあるため、中国の大規模な製造工業が設備規制を受けているのも原因の一つと言われています。
原材料はガラス以外にも、ポリシリコンや他の原材料も値上げが行われており、太陽光パネル価格の高騰に繋がっているとされています。
【輸送コンテナの不足・輸送費の高騰】
冒頭の「ウッドショック」のお話でもお伝えしましたが、現在世界的に海上輸送コンテナが不足しており、それに伴い輸送費も大きく高騰しています。
コロナ禍で船便の数が減少し、海上輸送コンテナの数も不足しています。太陽光パネルだけでなく、様々な業種の業者が海上輸送コンテナの確保に難航しており、輸送費が大きく上昇しているとされます。
あるメーカーからは「コロナ禍前と比較して、輸送費は2~5倍にも跳ね上がっている」という話もあり、材料費以上に価格高騰の大きな要因の1つとなっています。
3.今後の見通し
実際、太陽光パネルの高騰はいつまで続くのでしょうか。
中国では太陽光パネルメーカーの要請を受け、政府が太陽光パネル用ガラス製造設備の増強を認めたという話もあります。
そのため『材料費の高騰は次第に終息していくのでは?』という考え方もあるようです。
しかしコロナ禍が長引き、輸送船便の減少が長期間続けば、さらなる輸送費の高騰の可能性もあり、すぐには価格が下がらず高止まりか、あるいはさらに高騰する可能性もあると考えられます。
また『太陽光発電設備』には、「直流」の電気を「交流」に変換するインバーターの一種、パワーコンディショナー(PCS)もあります。
このパワーコンディショナー内には『半導体』が使用されており、現在この『半導体』の不足もよく取り沙汰されるようになっています。
様々な材料や部材が高騰していく中で、このパワーコンディショナーの高騰の可能性も十分に考えられるといえます。
4.まとめ
以上の内容とまとめると、太陽光発電設備の価格推移は
・2012年~2020年のデータを見ると設置費用は8年間で約40%も値下がりした
・しかし、2020年夏頃から太陽光パネルの価格が高騰をはじめ、2021年春には約10~20%ほど値上がりしている。
太陽光パネルの価格高騰には2つ原因があり
・材料費の高騰
・輸送コンテナの不足や輸送費の高騰
とされており、輸送費の高騰が価格上昇の大きな一因となっている状況です。
今後の見通しとしては
・材料費の高騰は時間が経てば終息しそうな予想はある
・コロナ禍が長引き、輸送船便の減少が長期間続けば、さらなる輸送費の高騰の可能性もある
・半導体の不足により、パワーコンディショナーの価格高騰の可能性も考えられる
状況と言えます。
この太陽光パネルの高騰問題は、現在太陽光発電設備を検討している方、弊社のような販売・施工店にとってはかなり頭の痛い問題となっています。
太陽光パネルがどこまで価格が高騰するのか、いつ価格が落ち着くのかが今の所見えない状況です。
そのため『価格が高騰する前に急いで購入する』という考えや、『価格が落ち着くまで検討を続ける』という考え、どちらもメリット・デメリットがあり大変難しい選択となるかと思います。
もし今、太陽光発電設備の導入をお考えの方は、どのような目的での導入なのか、どのような使い方をするかなど、ぜひ一度お近くの太陽光発電を取り扱うお店や工事店にご相談頂けると良いと思います。
弊社も、お問い合わせは随時受け付けております!
こちらのお問い合わせフォームより、お気軽にお問合せくださいませ!
新潟で自家消費型の太陽光ならテクノナガイ!
本日もお読みいただきありがとうございました!
【追記】
太陽光パネルの高騰に関して、2021年9月13日に追加記事を公開しております。
こちらも合わせてご覧ください!
ウッドショックと太陽光パネル高騰のその後