太陽光発電の普及と電源確保問題【後編】
2022.02.07
皆さんこんにちは!
新潟での自家消費型太陽光・脱炭素化のことならテクノナガイにお任せ!
テクノナガイの渋谷です!
今回は前回の記事に引き続き『太陽光発電と電源確保問題』の後編記事です。
前回記事はこちらをご覧ください!
今回は電源確保問題についての今後の見通しと問題解決の解決策についてお話します。
===目次======================
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前回記事では『太陽光発電と電源確保問題』について触れました。
再生可能エネルギーが普及していく中で、今まで主力の発電方法だった火力発電所の休廃止が進んでいること。
太陽光発電に焦点を当てた場合、電力供給を太陽光発電に依存すると太陽光発電が苦手とする冬場の電力需要が増えた際に対応しきれなくなる懸念がある というお話でしたが、それでは2022年度以降の電源確保問題はどのような見通しなのでしょうか?
まず火力発電所の動向ですが、資源エネルギー庁が公開している『2022年度の需給見通しと対応策に向けた検討について』の資料を参考にしてみますと、2022年度に休廃止する火力発電所は供給量で表すと約300万kWもの施設が休廃止する見込みとなっています。
※資源エネルギー庁『2022年度の需給見通しと対応策に向けた検討について』より抜粋
これを見ると、LNG(液化天然ガス)を使用する火力発電所の休廃止が大きく増えているのが分かります。
これは設備の老朽化での廃止だけではなく、前回お話した再生可能エネルギーの普及や発電燃料高騰による各発電設備の供給バランスの変化も大きく影響しています。
これと合わせて、今後10年間の火力供給力の増減の見通しに関しても見てみましょう。
※資源エネルギー庁『2022年度の需給見通しと対応策に向けた検討について』より抜粋
これを見ると、今後も主に緊急時に活用されていた石油火力発電設備の廃止が継続されていく傾向も示されています。
2021年以降の見通しでは、徐々に廃止される火力発電所の数は増えていき、新設は減っていきます。
そして世界的な脱炭素化の流れや国内の『カーボンニュートラル宣言』を受け、2026年以降には基本的に火力発電所の新設はされずに廃止のみとなるようです。
その分より多くの再生可能エネルギーや次世代の発電所(洋上風力・水素・アンモニア発電など)が増えていく方向になると考えられます。
また、火力発電所の休廃止だけではなく、発電設備の補修に伴う休止に関しても注目しなければいけません。
こちらに関しては、資源エネルギー庁が公開している『2022年度夏季の電力需給の見通しと対策について』の資料も見てみましょう。
※資源エネルギー庁『2022年度夏季の電力需給の見通しと対策について』より抜粋
これを見ると春~夏にかけては、毎年様々な発電施設で補修のために休止される発電施設があります。
このような補修点検時期の電力需給のひっ迫を防ぐため、該当時期の必要電気量を試算し、補修時期の調整などを行い電力会社としては対処をしている状況です。
しかし、近年を振り返ると冬場・夏場共に電力ひっ迫の話題は頻繁に取り沙汰されます。
特に今冬の電力需給については「過去10年で最も厳しい見通し」と昨年に経済産業省から予想がされていました。
近年の厳冬・厳暑の影響はもちろんありますが、この裏には世界的な脱炭素化への転換による太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及、老朽化や採算が取れなくなった火力発電の休廃止などが重なっています。
これらを踏まえた今年度の電力需給の見通しに関しては、冬場だけでなく夏場でも多くの地区でのひっ迫が予想されており、場合によっては政府や電力会社より節電の要請がある可能性も高いといえます。
暖房や冷房の使用が本格化する季節には、昨年度のような厳冬・厳暑にはならないことを祈るばかりです。
今後も電力需給のひっ迫が見込まれる日本ですが、今後この電源確保問題を解決していくには何が必要なのでしょうか?
前回記事でもお話したように、我々が普段使っている電気は需要・供給のバランスがとれた安定した電気です。
この需給バランスが重要なため『ただ発電量を増やせば解決』とならないのが難しいところです。
この需給バランスを保つために「より精度の高い需要予測が出来ること」「より柔軟に対応できる電源確保」が出来るなら、この電力需給のひっ迫問題は解決すると考えられています。
しかし、個人的にはよりクリーンなエネルギー需給を推し進め発電設備のバランスが変化していく中で、これを両立させていくのは現時点ではなかなか難しい課題なのでは?と考えています。
(もちろん、逃れられない問題なのでなんとかしていかなければいけないのは重々承知なのですが・・・)
なお、昨今の電力需給のひっ迫問題は、火力発電で使われるLNG(液化天然ガス)が各国の需要が高まり品薄になってしまったことにより、高騰し確保が難しくなってしまったことが挙げられます。しかし、ひっ迫したのは一部の電力会社のみで、全体では電力や発電するための能力が足りていた との専門家の見方もあります。
これに関しては日本特有の問題というものも見えます。
基本的に日本国内での送電の仕組みは、その地区の管轄電力会社のみから電力が供給される仕組みでした。
諸外国では網の目のように各電力網が張り巡らされた『メッシュ状』の送電網となっているため、停電などへの対処もスムーズですが、南北に細長い日本ではどうしてもこのような形の送電網を構築するのが難しかったという経緯があります。
そのような理由もあり、他地域へ電力を供給する仕組みに関して構築はされているものの、送電できる容量があまり多くなく、そこまで重要視されていない部分ではありました。
2011年の震災での東京地域の電力ひっ迫以降は各電力会社間で電力を供給できる『地域間連系線』の増強などで見直されつつありますが、連系線の容量が少ないなどまだまだ発展途上であるともいえます。
この『地域間連系線』の仕組みによっては、もしかしたら電力ひっ迫に関してはもう少し緩和できるのかもしれません。
また、今の技術では難しいですが、大規模な蓄電施設を導入することで電力ひっ迫に対策するという方向性もあります。
現在主流の蓄電池では、大容量のものを製造・設置するには莫大なコストがかかってしまいます。
蓄電池の技術が進歩し、もっと安価に大容量の蓄電池を製造できるようになれば、天候や気候に左右される再生可能エネルギーで大量に作り出した電気を蓄電し、必要に応じて送電することも可能になるかもしれません。
今後、SDGs・脱炭素化の流れを受け、再生可能エネルギーの導入が今まで以上に進んでいくこと、CO2などの温室効果ガス排出がある火力発電所設備に関してはより高効率でクリーンなガス利用へのシフト・旧設備の休廃止による縮小は進んでいくものと考えられます。
政府は、それらを踏まえて、より省エネでより環境を考えたクリーンな発電体制へ移行・最適化する『エネルギーミックス』を目指していく方向性を打ち出しています。
この『エネルギーミックス』とは簡単に言うと、様々な発電手段の利点・問題点を踏まえた上で、最適な需給バランスに最適化していくことです。
資源エネルギー庁が公開している資料では、
〇再生可能エネルギーの主力電源化
〇火力発電はクリーンなガス利用による高効率化
〇原子力に関しては依存度を低減させながらの、安全性最優先の再稼働
などが挙げられています。
これに合わせて『省エネ』もエネルギーミックスの重要な要素として挙げられており、住宅だけでなく産業・業務に関しても省エネやゼロエネルギー化が挙げられています。
再エネ・火力・原子力などの発電分野だけでなく、省エネという比較的身近で我々が出来ることも含めて、この『エネルギーミックス』を目指していく方向性になっています。
大きな流れでみると、私たちが使う電気はなんらかの資源を利用して生み出されています。
電気を作る側だけでなく、使う側もしっかり考えていかないといけない問題・達成できない目標といえます。
今回は「太陽光発電の普及と電源確保問題」についてのお話(後編)でした。
全体的に小難しい話題が多かった今回の前後編ですが、取り上げてみた私としてもいろいろ考えさせられる点は多い問題と言えました。
特に『エネルギーミックス』の中に、生産手段ではない『省エネ』が入っているのがポイントのように思えます。
世の中が便利になり、豊かになった分だけ使うエネルギーは増えて然るべきですが、昨今では『省エネ』は私たち個人でも取り組める至って身近な内容になりました。
効率の良いLED電球に変える、より省エネ度の高い家電を使うなどなど・・・ちょっとした心がけも出来るようになりました。
(省エネを心掛けて使う電気を抑えれば、その分電気料金の負担が減るというメリットもあるので、取り組みやすいですよね)
塵も積もれば山となる という言葉もあります。
極端な話かもしれませんが、ひょっとしたら昨今の電力ひっ迫は私たち個人のちょっとした心がけで防げる可能性がある問題なのかもしれません。
弊社としては年々高騰する電気料金への対策や、昨今求められているSDGs・脱炭素化などの環境配慮として太陽光発電をご提案させて頂いております。
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