太陽光コラム

2022年4月から開始!FIP制度とは?

皆さんこんにちは!

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テクノナガイの佐々木です!

 

先日、2022年度のFIT制度・再エネ賦課金に関する記事をアップしました。

 【太陽光コラム:2022年どのFIT制度・再エネ賦課金単価決定!】

その中で『FIP制度』が開始される ということをちょっとだけ触れていました。

 

太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を検討している・検討された方の中には『FIT制度』という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。

今回は、今年度よりそれに加えて開始された『FIP制度』について、一体どのようなものなのか?どのような目的があるものなのか?を詳しく解説致します!

 

 

===目次======================

  1. 『FIT制度』とは?
  2. 『FIT制度』の後釜?『FIP制度』とは?
  3. 『FIP制度』のメリット・デメリット

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1.『FIT制度』とは?

『FIP制度』の説明の前に、まず『FIT制度』についてお話します。

 

『FIT制度』とは「Freed-in Tariff(フィードインタリフ)」の略称で、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことです。この制度は太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を目的とし、2012年から導入されました。

『FIT制度』では太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギー発電所から作られた電気はすべて電力会社が買い取る形となっています。

 

本来であれば、発電した電気は「卸電力取引市場」にて発電施設を所有する「発電事業者」と電力を購入して販売する「小売電力事業者」との間で取引を行い販売するものです。

しかし『FIT制度』は再生可能エネルギー普及のため、このような決まった形での買取とすることで、発電事業者参入の敷居を低くする狙いがありました。

決まった形の買取ゆえに、市場で売れ残りの心配がない、発電計画と実績のズレを気にする必要もない など発電事業者にとってメリットが大きな制度だったため、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入は結果として大きく進んだと言えます。

 

なお、この制度での買取価格は毎年国が定めており、3月下旬頃に発表されます。

 【2022年度FIT価格 経済産業省 参考URL:https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220325006/20220325006.html

また固定価格買取の年数も発電所の種類によって下記のように決まっています。

 <10年間買取>太陽光発電(10kW未満・一般的に住宅向け)

 <15年間買取>地熱発電

 <20年間買取>太陽光発電(10kW以上)、風力発電、水力発電など

簡単に言うと『決まった金額で、一定年数の買取が約束されているもの』が『FIT制度』となります。

しかし、『FIT制度』は年々採択時の固定買取価格が減少しており、おそらく今後数年以内に新規申込受付は無くなる見込です。

その後、後釜として活躍していくと言われているのが次で説明する『FIP制度』と言われています。

 

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2.『FIT制度』の後釜?『FIP制度』とは?

それでは、2022年度から始まった『FIP制度』はどのようなものなのでしょうか?

『FIP制度』とは「Freed-in Premium(フィードインプレミアム)」の略称です。これは再エネ導入が進んでいる欧州などでは、すでに取り入れられてる制度となります。

 

『FIP制度』は『FIT制度』と違い、再生可能エネルギーを電力会社が固定価格での買取するような形ではなく、卸電力取引市場にて小売電気事業者と取引を行う必要があります。

そのため、常に一定金額での買取だった『FIT制度』とは違い、時間帯や時期などにより売電価格は細かく変動します。

小売電力事業者に売電する価格に一定の補助額(プレミアム)が上乗せされることにより、発電事業者の売電額を補助し再エネ導入を促進します。

※資源エネルギー庁『売電価格に「プレミアム」を上乗せするFIP制度』より抜粋

 

この『FIP制度』の価格の仕組みについてですが、『FIT制度』では電力会社が再エネ電気を買い取る際の単価が決まっているように、『FIP制度』でも「基準価格(FIP価格)」が決められます。

FIP制度の基準価格については、再エネの導入費用の見込額をベースに様々な要素を考慮して設定される形となりますが、制度開始当初はFIT制度の調達価格と同じ水準にすることと発表されています。

また「参照価格」も定められることになっており、「参照価格」とは市場取引などによって発電事業者が期待できる収入分のことです。「参照価格」は市場価格に連動し、1ヶ月単位で見直されます。

 

この「基準価格」と「参照価格」の差を、「プレミアム単価」として再エネ発電事業者が貰うことが出来る制度となります。

つまり、再エネ発電事業者は、電気を売った価格にプレミアム単価が上乗せされた合計分を収入として受け取ることになります。

このプレミアム単価は交付期間が20年と決まっており、参照価格の変動などによって変わってくるため1ヶ月ごとに更新されます。

 

違いを簡単にまとめると・・・

『FIT制度』では、電気の市場価格に関係なく、常に固定の買取価格で販売する制度 (季節や時間帯も全部一律の買取価格)

『FIP制度』では、電気の市場価格に連動し買取価格が変動するが、そこに加えて「プレミアム単価」が得られる制度

という形となります。

※資源エネルギー庁『売電価格に「プレミアム」を上乗せするFIP制度』より抜粋

 

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3.『FIP制度』のメリット・デメリット

常に一定の買取価格である『FIT制度』でしたが、『FIP制度』市場価格と連動するため季節や時間帯に応じて買取価格が変動します。そのせいで、ちょっと難しくとっつきにくい感じがする『FIP制度』ですが、そのメリット・デメリットについて解説します。

 

<『FIP制度』のメリット>

〇電気の需要によっては収入増が狙える

『FIP制度』は市場価格に買取価格が連動します。ようするに「需要が高まる時の単価は高くなる」ということです。

一般的には電力需要が高い時期は、朝・夕方・夜間と言われており、特に夏場・冬場は冷暖房機器の使用により電力需要は高まります。そういったタイミングで売電量を増やすことが出来れば、より大きい収入を得ることができます。

例えば、蓄電池などを併用することで、より効果的に売電を行うことも可能と考えられています。

 

〇プレミアム単価による補助が得られる

『FIP制度』の肝とも言えるプレミアム単価の補助が得られる点も大きなメリットです。通常の市場価格のほかにプレミアム単価による補助が得られるため、市場価格よりさらに高い価格で電気を販売することできます。

これまでの『FIT制度』では常に一定の価格でしか売電できなかったものが、需要に応じた価格で売電ができ、そこにプレミアム単価が付与されることで今までより大きな収入となる可能性があります。

 

<『FIP制度』のデメリット>

〇価格が変動するため売電収入の予測が立てにくい

常に一定の価格で売電していた『FIT制度』とは違い、市場価格に連動する『FIP制度』では今までより売電収入の予測が立てにくくなります。

また『FIP制度』のプレミアム単価も1ヶ月ごとに見直しされるため、今まで以上に市場の需要状況を正確に予測し、シミュレーションを行うことが重要といえます。

 

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今回は「FIP制度」についてのお話でした。

 

今年度よりスタートした『FIP制度』、今までの『FIT制度』と比べるとシステム的にも難しくなり、ちょっととっつきにくい制度かもしれません。

まだ『FIT制度』の具体的な終了時期に関しては明言されてはいないものの、諸外国の再エネ導入の流れを鑑みるに今後は『FIP制度』への切り替わっていくものと予想されています。

 

現時点では『FIT制度』『FIP制度』どちらも選べるような形の制度になっており、どちらが優れているか というのはなかなか比較しにくいものです。

筆者としても、どちらが良いというのは現時点で判断するのはとても難しいと思います。

1~2年後には実際の『FIP制度』での実績情報も出てくるはずなので、それを待ってみるのも一つの手かもしれません。

 

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