いつ入替?パワーコンディショナーの寿命と交換タイミング
2023.10.02
皆さんこんにちは!
新潟で自家消費型太陽光発電のことならテクノナガイソラーレにお任せ!
テクノナガイソラーレの渋谷です!
去年・今年の電気料金の高騰を受け、太陽光発電設備を設置・検討される方が個人・法人共に大きく増えています。
太陽光発電設備(太陽光発電システム)はいくつかの設備の複合体となっています。
代表的なものとして、太陽光を使って発電する「太陽光パネル(モジュール)」
太陽光パネルで発電した直流電力を交流電力に変換する「パワーコンディショナー(パワコン・PCS)」
この2つが太陽光発電の要となるメインの設備となります。
それ以外にも太陽光発電の状況を確認する発電モニターや遠隔監視装置、太陽光パネルの架台、
細かいものですと、接続に使うケーブルや金具など 様々な設備が必要です。
太陽光発電設備は一度設置すると、定期的な点検・メンテナンスは必要ですが10~20年以上と長期に渡り、
太陽光から電気を作りその電気を使う「自家消費する」ことによって、電気料金の削減に協力してくれます。
長期間使える太陽光発電設備のうち、メインの1つとなる太陽光パネルは20年以上使えると言われております。
(日本最古級の太陽光発電装置は、昭和58年設置のSHARP製のもので現在も稼働中です。)
詳しくはこちら ➡ SHARP 太陽光発電システム「シャープならではの高耐久性」
太陽光発電のメインのもう1つとなるのが、パワーコンディショナー(通称パワコン)です。
太陽光パネルからの電気を変換し、自家消費したり、売電したりをしてくれます。
しかし、これが故障してしまうとその間は太陽光発電システムが使えなくなってしまいます。
弊社も太陽光発電システムの取り扱いを始めて10数年が経過しました。
最近では、こうしたパワコンの故障や交換対応を承ることも徐々に増えてまいりました。
そこで今回は太陽光発電設備に欠かせない『パワーコンディショナー』についてのお話です。
パワコンの寿命はどれくらいなのか、交換タイミングはいつ頃なのか?
メリットやデメリットを含めて、解説致します!
===目次======================
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太陽光発電システムの要となるのは、太陽光から電気を作る「太陽光パネル(太陽光モジュール)」
そして、太陽光パネルからの直流電力を交流電力に変換し、建物で使用したり、売電できるようにする
「パワーコンディショナー(パワコン)」です。
このパワコンの寿命はどの程度なのでしょうか?
各パワコンメーカーによって違いがありますが、概ねパワコンの耐用年数は10~15年としているメーカーが大半です。
一般的な家電製品の耐用年数が8年前後と言われている中で考えると、それよりもちょっと長い耐用年数があります。
これはあくまでメーカー基準の耐用年数となっているので、場合によってはこれより早く壊れてしまうこともあれば、
これを過ぎてもまだまだ使える という場合も往々にしてあります。
しかし、パワコンも精密機械であり工業製品の一つです。
長年使っていく上でどうしても経年劣化は起こります。
徐々に外観も汚れてきたり、機械内部も劣化して発電効率が落ちていきます。
また、急に動作不良が起きたり、場合によっては度々止まってしまう・・・ようなことも起きる場合がございます。
パワコンは太陽光発電設備の要です。
パワコンが故障してしまうと、発電効率が落ちてしまったり、最悪の場合は発電が停止してしまいます。
丈夫な作りになっているパワコンではありますが、日常点検や定期的なメンテナンスを行うことで、
万が一の異常にも素早く気付くことができ、故障による長期間の発電停止を未然に防ぐことにも繋がります。
パワーコンディショナーの交換について
「耐用年数を過ぎても、使えてるんだから交換しなくてもいいよね」と考える方もいれば
「やっぱりすぐ耐用年数を過ぎる前に交換したほうがいいんでしょ?」という方もいらっしゃいます。
パワコンの交換や入替に関しては、その発電所の状況によりどうすれば良いか というのは意外と違うものです。
一旦パワコン交換のメリット・デメリットについて確認した上でどうすれば良いのか考えてみましょう。
まずはパワコン交換のデメリットからご説明します。
<パワコン交換のデメリット>
・交換費用がかかる
パワコンを交換する場合は、もちろん新しく入れ替えるパワコンの費用が掛かります。
本体代だけでなく、撤去・設置の工事費もかかりますので台数によってはある程度大きな金額になります。
家庭用の場合は1~2台の場合がほとんどですが、産業用や野立ての太陽光発電になると
小型のパワコンが10台以上となる場合もあれば、大型のパワコン数台という場合もございます。
費用としては、小型のもので工事費込みで1台30~50万程度
産業用の大型のものであれば100万円以上になることもあります。
このパワコン交換費用について、しっかりしている業者であれば太陽光発電システムのご提案時に
「10~15年目でパワコン交換が必要なので、大体これくらいかかります」
とお伝えしている場合がほとんどなのですが、中にはそういった説明をされていない業者様もいるようです・・・
これをお読みの方で「想定していなかった」という方がいらっしゃれば、
ぜひ今のうちに交換タイミングと交換費用について
ご留意頂いた上で今後の太陽光発電設備の運用をして頂ければと思います!
・場合によってはパワコン機種やメーカーの変更が必要になる
10~15年で1回の交換となると、その間により新しい機種にパワコンが変わっていることもあれば、
場合によっては当時のパワコンメーカーが撤退・廃業している場合もございます。
そうなった場合、他のパワコンや他メーカーのものを使う必要がございます。
その際、今まで使っていたパワコンの接続方法がそのまま使えないこともございます。
対応するモニターや監視装置を入れ替える必要があったり、場合によっては太陽光パネルの接続方法を
大きく変更して繋ぎなおさなければいけないなんて事態になることもあります。
また、パワコン交換時に「パワコン出力を今より大きくすれば、発電量が増えるのでは」と考えて
容量を増やしたパワコン設置を検討される方もいらっしゃいますが、これも注意が必要です。
すでに固定価格買取制度の認定(FIT認定)を受けている場合は、必要以上に大きい容量へ設備を変更すると
各種申請や売電単価の再設定が行われる場合がございます。
パワコン交換時は現在の売電単価踏まえて、詳しい施工業者と相談し、適切な容量への変更をしましょう。
※詳しくはこちらの資源エネルギー庁の資料をご覧ください。
<パワコン交換のメリット>
・パワコンの性能が上がり発電効率が上がる、追加機能が使える場合がある
パワコンが新しいものに変われば、基本的に今お使いのパワコンより発電効率が上がります。
製品性能の向上もあれば、現状のパワコンの経年劣化の出力低下がなくなることにより、発電効率の向上に繋がります。
また、新しいパワコンになることにより、使える機能が増える場合もございます。
例えばインターネットを通じて遠隔監視が出来るようなオプションがつけられたり、
別売で蓄電池と組み合わせられるようになったりもします。
・パワコンの保証が一新される
メーカーによりますが、パワコンを新品のものと交換した場合、新たに保証がつく場合がほとんどです。
保証期間である5年~10年の間に自然故障などをした場合、無償や割安で修理対応を受けられる可能性があります。
(メーカーによって保障年数の違いや、どのような理由の故障に保証対応できるかが違うためご確認ください)
・オンライン出力制御に対応可能になる(※現在のパワコンの種類による)
これは設置当時にどのメーカーのどのパワコンが設置されているか、などにもよりますが、
現在国内では10kw以上の太陽光発電には『出力制御』という制度が設けられています。
これは、電力会社が電気の需要と供給のバランスを調整するためにある制度であり、太陽光発電設備をお持ちの方は
電力会社から「この日、この時間は発電を止めてください」という指令があった場合、対応しなくてはいけないものです。
詳しくはこちら ➡ 経済産業省 なるほどグリッド「出力制御について」
現在出力制御の対象となっている発電設備の中でも、2014年9月30日までに契約申込を行っていた発電所は
過去出力制御が実施され始めた際に出力制御機器の取り付けが不要なかわりに
2023年春以降は「オンライン代理制御」という出力制御が実施され始めました。
この「代理制御」により差し引かれる売電収入が思ったより多いため、出力制御機器を取り付けて
「オンライン出力制御」に切り替える という方も一部いらっしゃいます。
詳しくはこちら ➡ 太陽光コラム「ついに実施開始!再生可能エネルギーのオンライン代理制御」
現在お使いのパワコンの中には、出力制御自体に未対応のパワコンもあるため、パワコンの交換により
「オンライン出力制御」に対応できるようになる場合もございます。(別途インターネット通信用の設備は必要です)
2014年9月30日までに契約申込を行っていて、全量売電を行っている10kw以上の野立て・屋根上太陽光設備は
こういうメリットも生まれることがございますので、確認してみると良いかもしれません。
パワコン交換のメリット・デメリットを簡単にまとめるとこういう形となります。
実際にパワコンが経年劣化で壊れてしまった・調子が悪くなったような場合は交換・修理が必要となるかと思いますが
まだパワコンが普通に動いている、出力低下も問題にならない程度 という方もいらっしゃいます。
費用も掛かりますし、設備の状況によってもどうすべきかが変わってくる内容となります。
これを踏まえて、次の項目ではパワコン交換のタイミングについて考えてみましょう。
実際、パワコン交換はどのタイミングで行うべきなのでしょうか?
交換する場合はどうしても交換費用がかかってしまいます。
設備が問題なく使えてるならなるべく長く使いたい、という方もいらっしゃると思います。
ここでは弊社で実際に対応した・お話をお伺いしたパターンを挙げて、ご説明いたします。
①パワコンが正常動作しているうちに交換するパターン
耐用年数が過ぎて現状のパワコンを使っているが、正常動作しているうちにパワコン交換をしてしまうパターンです。
メリットとしては事前に交換するためのパワコンや交換工事の段取りをしてから、
交換作業に入ることが出来るので発電の停止期間を最小限にできます。
実際に急にパワコンが故障して交換する場合、交換するためのパワコンがすぐ入るとは限りません。
海外製パワコンなどの場合は1~2ヶ月待ちになってしまったり、コロナ過の半導体不足のタイミングでは
物によっては半年~1年待ちとなったこともございました。
また、パワコンメーカーが廃業していて修理やサポートが受けれないという場合にもこちらが検討されると思います。
『故障して交換したいけど、物が手に入らなくて何か月も発電が停止してしまう・・・』
という可能性があるなら「少しでも太陽光発電を安定稼働させることで得られるメリットを無駄にしたくない」
と、考える方にはオススメのパターンです。
②パワコンの保証期間中は使い続け、保証切れ以降に交換するパターン
これはメーカーの保証期間が切れるまでは現状のパワコンを使っておこうというパターンです。
パワコンの種類やメーカーによっては10年、15年と長期保証に加入されている場合がございます。
保証の内容によりますが、例えば保証期間中に自然故障した場合は無償修理が受けれたりする保証もございます。
その場合、仮に保証期間中にパワコンが修理不能な自然故障を起こしてしまった場合、
メーカー側で新品のパワコンに無償交換や割安交換ができる場合がございます。
パワコンの保証期間が残っていて、なおかつ出力低下も問題なく正常に動作している場合は
保証期間ギリギリまでお使い頂き、保証期間が切れたタイミングで交換する
という形であれば、所有者様的にもご負担が少なくなるかとは思います。
③パワコンが故障してから交換するパターン
これは現状のパワコンが本当に故障して使えなくなってから交換をするというパターンです。
パワコン交換には費用がかかってしまいますし、皆様も経験があるようにどうしても物には当たり外れがございます。
耐用年数10年のものが、6~7年で壊れてしまうこともあれば、15年以上使えることもございます。
物が問題なく使えるうちは使おう というのがこのパターンです。
物を無駄なく使うもったいない精神です。私も非常に良いと思います。
このパターンの場合、気を付けなくてはいけないのがいざ故障して交換するときに物が手に入らないパターンです。
事前に施工業者にパワコン交換の時は、どの機種に交換になって、納期がどれくらいなのか を確認しておくと
もしもの時も慌てずに対応できるかと思います。
④オンライン出力制御に対応したいのでパワコンを交換するパターン
最近ちらほら聞こえてくるのがこのパターンです。
パワコン交換のメリット・デメリットの項目でもちらっと触れた内容ですが・・・
2014年9月30日までに契約申請を行っていて稼働済みの10kw以上太陽光発電設備には、
2023年から『オンライン代理制御』による出力制御が実施され始めました。
この代理制御によって、売電収入から差し引かれる「代理制御分の金額」が大きいため、それを低減させるために
「オンライン出力制御」対応のパワコンに入れ替え、「オンライン出力制御」を行うパターンです。
実際、国や電力会社としても『出力制御』の仕組みは「今後オンライン制御化を目指していく」という
方向性が打ち出されているため、このように考えられる方もいらっしゃるかと思います。
事実、東北電力管内では出力制御でマイナスとなる発電量分は
『オンライン出力制御』>『オフライン出力制御』=『代理制御』
となっているとのことで、代理制御から『オンライン出力制御』に方式を変更することにより、
売電収入から差し引かれる金額は現状より大きく減少する可能性もございます。
(これはあくまで、2023年8月までの東北電力管内の状況を踏まえてのお話となります。
他電力会社管内や、これをお読みになっている現状に関しては、各電力会社に確認をお願い致します。)
この場合の注意点としては、
・現行のパワコンでも出力制御機器を導入することで『オンライン出力制御』に対応できる可能性がある
・入れ替えるパワコンの種類によっては、出力制御機器の金額が安価で済んだりするパターンがある
ということがございます。
ぜひ、施工業者と相談した上で、適切な設備の追加やパワコンの入替を行って頂ければと思います。
今回は弊社で良く聞く4パターンをご説明致しました。
このように、お持ちの太陽光発電設備やパワコンの状況に応じて、いろいろなパターンが考えられます。
メーカーの耐用年数が近づいてきたパワコンにつきましては、一度ご自身の発電設備の状況や設備内容を踏まえて
施工業者と相談して最善のプランを検討して頂ければと思います。
太陽光発電設備は10~20年と長く付き合っていくものです。
ぜひご自身の設備にあったパワコン交換のタイミングを計画し、いざという時も慌てず対処できるようにしましょう!
最後にパワコン交換時の注意点をいくつかまとめさせて頂きます。
①太陽光発電に詳しい施工業者に依頼する
設備に関しては当時施工した業者に聞くのが一番です。
設計内容や設備内容などもしっかり記録があり、なにより実際に施工を行った方々となります。
しかし、中には当時依頼した業者が廃業・撤退してしまっているというようなパターンも最近は多く耳にします。
全く同じパワコンに交換する という形であれば良いのですが、どうしても10~15年経過したパワコンの交換は
別機種や別メーカーのものを選定しなおさなければいけなかったりと、知識がなければ難しいことがございます。
下手に設備に適さないものを選んでしまうと、配線の繋ぎ替えで大きな費用が発生したり、
選定をミスしてしまうと現状の売電価格の取り消しや現状価格への変更(買取価格低下)となってしまう場合もあります。
そのため、パワコン交換の際は詳しい業者に依頼し、設備に合った機器選定をしてもらうようにしましょう。
②資格がない作業者で交換を行わない
パワコンを交換する際には電気工事が伴います。
そのため「有資格者」でなければ工事を行ってはいけないと法律により定められています。
これは扱う設備の規模によりますが「第1種電気工事士」や「認定工事従事者」の資格が必要となります。
また、メーカーによっては、事前に講習を受けて認定を受けた作業員での施工が義務付けている場合があります。
これを犯すとメーカー保証の対象外になってしまう場合などもありますので、注意しましょう。
③手続きや申請業務も任せられる業者を選ぶ
パワコンを交換する場合、設備内容が変わる場合は電力や国への申請が必要となります。
中には「工事はできるけど、申請はできない」という業者も一部いらっしゃいますので、
事前に手続きや申請を含めて全部お任せできる施工業者を選ぶことも大切です。
もちろん、手続きや申請費用はかかってしまいますが、誤った申請を行ってしまったばかりに
設備が稼働できなくなったり、売電価格が変更されてしまっては元も子もありません。
この点も気を付けて、お任せする施工業者を選ぶようにしてください。
今回は『パワーコンディショナーの寿命と交換タイミング』に関するお話でした。
弊社にも一昨年くらいからこのようなパワコン交換・入替に関するお問い合わせが増えております。
同じ機種のパワコンに入れ替えるのであれば、設備の内容もそのままで良いのですが、
10年経過するとパワコン機種も新しくなっていて現状機種が手に入らなくなっていたりと、
想定外のパターンも起きやすくなります。
パワコンの耐用年数や保証期間終了が迫ってきた際には、ぜひ一度交換時にどの機種になるのか
費用や納期はどの程度かかるのか を確認して頂くことで、より安心して設備をお使い頂けるかと思います。
新潟で自家消費型・産業用・住宅用の太陽光ならテクノナガイソラーレ!
本日もお読みいただきありがとうございました!