太陽光パネルの洗浄って必要?
2023.10.23
皆さんこんにちは!
新潟で自家消費型太陽光発電のことならテクノナガイソラーレにお任せ!
テクノナガイソラーレの渋谷です!
今日は太陽光発電設備の提案をしている時や、点検に行った際によく聞かれることについて解説です。
その内容は「太陽光パネルは綺麗にしたほうがいいの?」ということです。
確かに太陽光パネルが汚れてくると「発電量が落ちてしまってるのではないか?」
「掃除することによって、より発電量が増えるんじゃないか?」とお考えの方も少なくはないと思います。
そこで今回は太陽光発電設備に欠かせない『太陽光パネル』 その洗浄についてのお話です。
パネル洗浄の効果はどれくらいあるのか、どのような状態なら洗浄した方が良いのか?
最新の太陽光パネルの清掃ロボットの話題にも触れながら、太陽光パネルの洗浄について解説致します!
===目次======================
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太陽光から電気を作る「太陽光パネル(太陽光モジュール)」が太陽光発電設備の要とも言えます。
一般的に太陽光パネルは小さな太陽電池を複数集めて金属の枠に入れて、大きなパネル状にされた製品のことを言います。
(一般的なサイズは横1m程度 縦1.5~2m程度です。)
太陽光パネル内の太陽電池に太陽光が当たることにより、光エネルギーを電気エネルギーに変換することで発電されます。
1つの太陽電池では生み出せる電力が少ないですが、複数集めて直列で繋ぐことにより電圧を上げ、使いやすくしています。
太陽光パネルと聞くと、大きな板状のものをイメージする方も多いかと思いますが
最近ではペロブスカイト太陽電池などを活用したフレキシブルな太陽光パネルも開発されつつあり、
今後は今まで以上に様々な場所で太陽光パネルを見かけることになりそうです。
また、太陽光パネルの寿命ですが、20年以上使えると言われております。
(日本最古級の太陽光発電装置は、昭和58年設置のSHARP製のもので現在も稼働中です。)
詳しくはこちら ➡ SHARP 太陽光発電システム「シャープならではの高耐久性」
様々なメーカーがありますが、基本的に20年以上使える前提で保証などを打ち出しているところが大半で
経年劣化での出力低下も10年で90%、25年で80%の出力保証をしているメーカーが多いと言われています。
このように一度設置したら、破損や異常が見られない限りは20年以上使える前提で設置されているのが太陽光パネルです。
さて、メーカー側で20年以上使用ができる前提で設置されている太陽光パネルですが、
パネルの洗浄は果たして必要なのでしょうか?
結論から申し上げますと『基本的には必要ない』が『設置環境によっては必要』となります。
なんとも曖昧な回答になってしまうのですが、よほど特殊な状況でなければ『洗浄は不要』と考えて頂ければと思います。
では、それぞれについてご説明させて頂きますね。
<基本的に太陽光パネルの洗浄が必要ない理由>
①洗浄作業を所有者様が行う場合、破損の可能性や危険を伴う可能性が高い
太陽光パネルを洗浄しようとされる所有者様も多いのですが、基本的にはやめて頂いた方が良いと弊社は考えます。
例えば、野立ての太陽光パネルの場合、長いブラシなどで洗浄ができると考える方も多いのが現状です。
しかし、うっかり固いブラシの部分を当ててしまって、太陽光パネル表面のガラスを破損させてしまう場合もございますし、
使用した道具や薬品で太陽光パネルのガラス面を傷つけ、曇らせてしまったりして発電量が低下するパターンもあります。
また、パネルのガラスが破損しているところを洗浄しようと触れてしまった際にケガをしてしまう可能性もございます。
また、野立てでなく屋根上設置の太陽光パネルを洗浄しようとする場合は、足を滑らせてうっかり落下する・・・
なんて危険性もございます。
破損やケガなどの危険性を踏まえると、洗浄作業を所有者様で行うのはやめておいたほうが良いと言えます。
②洗浄によって得られる効果が薄い
となると、洗浄作業は専門業者に依頼して実施する形となります。
しかしながら、洗浄によって得られる効果が薄い場合が大半となります。
太陽光パネルは経年劣化以外に、確かにパネル上の汚れによっても発電出力が年々低下していきます。
この判断をするために、所有者様にはぜひ毎年の太陽光発電の発電量を比較して頂きたいのですが、
一般的な設置環境での太陽光発電設備では、年間1%も発電量が低下すること自体稀です。
(メーカーが10年で90%発電出力を保証することが多いことからも分かりますが、基本的に低下量はそれ以下です。)
太陽光パネルのガラス面は汚れや傷に強いコーティングがされています。
ちょっとした汚れは雨である程度流れ落ちてしまうので、大きく発電量が低下するような大きな汚れが
残り続けてしまうこと自体がかなり稀なケースとなります。
例えば、5年で3%程度発電量が低下している太陽光発電施設があったしても、そのパネルを洗浄する手間や
かかってしまう費用を比較すると、果たして『パネル洗浄にかかる費用』が『回復する発電量』を上回るのか?
という問題にぶつかります。
基本的にこの部分をシミュレーションして判断すると、「パネル洗浄は基本的に不要」という結論となります。
<太陽光パネルの洗浄が必要になる特殊な場合>
では、太陽光パネルの洗浄が必要となる場合はどのような場合でしょうか?
上記の例を考えると、太陽光設備の発電量の低下が少ない場合は洗浄の効果が薄い ということが分かります。
となると、なんらかの要因で毎年一定以上大きく発電量が低下してしまう太陽光発電設備では洗浄が必要となります。
(もちろん、発電量定価にはパワコンなどの設備故障の可能性もございますので、しっかり問題の切り分けが必要ですが)
例えば、太陽光パネルに砂や火山灰が降り積もるような場所であれば、定期的な洗浄が必要という判断となります。
この判断のためにも、毎年の発電量の推移はしっかり確認した上で、太陽光パネルの状況を判断する必要がございます。
弊社で設置した太陽光発電設備には、そこまで大きく発電量が低下し洗浄を行ったケースはございませんが、
他業者様から伺った話ですと、降り積もる砂により発電量が低下したケースでは
数年で40%程度発電量が低下し、パネル洗浄を行うことで発電量が95%程度まで回復した というお話がございました。
外部サイトですが似たような事例が載っておりましたのでこちらも参考までにご覧ください。
メガソーラービジネス『「鉄粉」除去で発電量が劇的に回復、岡山のミドルソーラー』
こういったケースもございますので、ぜひ太陽光パネルの洗浄を実施する場合は、
①毎年の発電量の推移を確認 ②太陽光パネル上の汚れの状態を確認
この2つを行った上で、耐費用効果がしっかり見込めるかどうかを判断し、実施したいものです。
太陽光パネルの洗浄を行わなければいけないケースは限られるということが今までのお話でお分かりになったかと思います。
洗浄にかかる耐費用効果を考えた場合、業者による手作業以外にも、洗浄用のロボットを導入するケースも考えられます。
(もちろん、大規模な太陽光発電設備でパネル洗浄が必要な場合に限られるわけですが・・・)
海外の事例ではございますが、日本国内のメーカー様が清掃ロボットを供給している事例がございます。
メガソーラービジネス『水を使わない太陽光清掃ロボット、ドバイで4000時間以上稼働」
こちらでは、大規模な太陽光パネル上の砂を水を使わない清掃ロボットで掃除を行い発電量の低下を防いでいる形です。
ある程度の規模にならないと洗浄ロボットを導入しての太陽光パネルの状態維持は難しいですが、
場合によってはこのような形での対応も出来るかと思います。
今回は『太陽光パネルの洗浄』に関するお話でした。
太陽光パネルの洗浄に関しては、私が点検などに言っても本当によく聞かれるお話です。
破損やケガの危険がありますし、耐費用効果を調べないうちは本当に実施はオススメしません!
毎年の太陽光発電設備の発電量の推移を比較した上で、太陽光パネル上の汚れを確認し、
「パネルの汚れが原因!」と特定できたなら実施するようにしましょう!
毎年の発電量の推移をみることで、太陽光発電設備の故障やエラーに気づくこともできるので
ぜひ電力会社の書類や発電量モニターなどで「発電量の推移」を見比べることをオススメ致します!!
新潟で自家消費型・産業用・住宅用の太陽光ならテクノナガイソラーレ!
本日もお読みいただきありがとうございました!