ご存じですか?太陽光発電設備の過積載
2024.01.29
皆さんこんにちは!
新潟での自家消費型太陽光・蓄電池のことならテクノナガイソラーレにお任せ!
テクノナガイソラーレの渋谷です!
住宅や商業施設、ソーラーカーポートなどいろんな所で見かけるようになった太陽光発電ですが、
どのような仕組みで発電されているかは皆さんご存じでしょうか?
太陽光発電設備では『太陽光パネル』が太陽光を受けて発電します。
そして、発電した「直流の電気」を『パワーコンディショナー』が受け取り、
ご家庭などで使用できる「交流の電気」に変換して使ったり、売電したりします。
もちろん、太陽光で発電をする『太陽光パネル』が多ければ多いほど発電量が多くなり、
それを受けて変換する『パワーコンディショナー』の容量や台数も多くなります。
しかし、どちらもただ増やしていけば良い というわけでもないんです。
太陽光発電が流行り始めた当初は『太陽光パネルの容量=パワーコンディショナーの容量』の形が主流でした。
今ではパワーコンディショナーの容量を越えて多くのパネルを設置する「過積載」という方法が主流となっています。
今回はこの『太陽光の過積載』とはどのようなものなのか?
どのような効果があるのか?どの程度の過積載が望ましいのか、など解説します!
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冒頭でもお話したように太陽光発電が流行り始めた当初は
『太陽光パネルの容量=パワーコンディショナーの容量』の形・・・『過積載なし』の設計が主流でした。
その後、より効率の良い発電が出来るようにメーカー側でより効率の良い手法・技術が確立されていき、
今ではパワーコンディショナーの容量を越えて多くのパネルを設置する「過積載」という方法が主流となっています。
この「過積載」というのは、簡単に言うと・・・
『パワーコンディショナーの容量以上に、太陽光パネルを接続し発電量を増やす』方法です。
これを行うことにより、朝夕の日射量が少ない時間帯や天気が良くない日でも、太陽光パネルの容量が多いため、
パワーコンディショナーの容量に近い発電量を出すことが可能になります。
例えば
『太陽光パネル 20kw』 『パワーコンディショナー 20kw』の場合
こちらの場合は、どちらの容量も同じなので、過積載率は100%となります。
次に
『太陽光パネル 30kw』『パワーコンディショナー 20kw』の場合
こちらの場合は、パワーコンディショナー容量の1.5倍のパネル容量が接続されています。
そのため、過積載率は150%となります。
『パワーコンディショナーの容量を越えるものを接続して危険ではないのか?』と疑問に思う方もいるかと思います。
こちらはもちろん、メーカー側でそのパワーコンディショナーごとの最大の過積載率がしっかり決められております。
近年では150~200%、多いものでは300%といった過積載が可能なパワーコンディショナーも出てきています。
「過積載」と聞くと、トラックなどの荷物の過積載のような危険な違反行為 というイメージを思い浮かべる方も
少なくはないと思いますが、太陽光発電の過積載は違反行為ではありません!
しっかりメーカー側でもやり方が確立されており、申請に関与する経済産業省側でも推奨されている手法になります。
その点はご安心ください!!
『太陽光発電の過積載』がどういういうものかざっくり分かったところで、
メリット・デメリットもそれぞれ説明していきます。
【太陽光発電 過積載のメリット】
①パネルのみ増やすことにより、効率的に発電量が増やせる
パワーコンディショナーの容量はそのままに、太陽光パネルが増やして過積載することにより発電量が増えます。
例えば過積載をせず、太陽光パネルと一緒にパワーコンディショナーを増設することでも、発電量が増えますが
パワーコンディショナーの増設分の機器費用や工事費が必要となります。
そのため、対費用効果は太陽光パネルだけを増やす過積載のほうが優れている場合が大半です。
②朝夕や日射量が少ない季節の発電量を増やせる
これも発電量に関わることですが、下記の図をご覧ください。
この図は適切な量での過積載について分かりやすくまとめたものになります。
時期的には、春~夏の天気が良い日のグラフだと思って頂ければ分かりやすいかと思います。
過積載をしていると、日中の日射量が多くなる時間帯は、一部ピークカットで発電が無駄になる場合があります。
しかし、朝・夕の時間帯ではピークカットされる分以上に、過積載での発電量が大きくなります。
基本的に過積載をしない場合、設備の発電量がピークに達するのは日射量が多い春~夏で天気の良い日の日中のみです。
それ以外では、発電量がピークに達することは基本的にありません。
設備の最大発電量を持て余してるような状況になってしまいます。
一例ではありますが、春~夏の天気が良い日の日中のみピークカットが発生する程度に過積載で設計し、
天気が良くない日・朝夕など、日射量が少ないタイミングの発電量を伸ばすことを目的として設計されたりします。
『太陽光発電をどの季節、どの時間帯でも、なるべく効率的に活用できるようにできる』
というメリットが太陽光の過積載にはあります。
③パネル容量が多くても低圧として運用できる場合がある
太陽光発電設備は規模によって低圧・高圧に分類されます。
具体的に言うと、発電設備の容量が50kW未満であれば「低圧」、50kW以上であれば「高圧」となります。
高圧設備になると高圧電力契約が必要になり、申請や安全管理に関してもやるべきことが多くなります。
例えば、太陽光パネルの容量を70kWでも、パワーコンディショナーの容量が49.9kWであれば
申請上ではパワーコンディショナーの容量での申請となるため、「低圧」での申請ができます。
【太陽光発電 過積載のデメリット】
①ピーク時の発電量がカットされる
これはメリットの②で説明した通りなのですが、日射量が多く発電量が多くなる春~夏の日中時間帯では
ピーク時の発電量がパワーコンディショナーの容量を越えるため、カットされます。
一見すると損しているように聞こえるかもしれませんが、メリットの②にある図を見て頂ければわかる通り、
朝夕の時間帯での発電量の増加、日射量が少ない季節での発電量の増加により大きなメリットがあります。
②設備費用がかかる
過積載なしのパターンと比較すると、太陽光パネルを追加で設置して過積載するため設備費用が多くかかります。
この場合は、過積載あり・なしでどの程度メリットが生まれるのか、対費用効果がどうなるのか?
シミュレーションを出して比較してみるのが一番です。
(しっかりした施工業者は、精度の高いシミュレーションソフトを使って比較も出してくれるはずです)
③適切な量の過積載率で設計する必要がある
『過積載は良い』と考えて、闇雲に過積載率を上げてしまうのではもちろんダメです。
過積載率を上げれば上げるだけ発電量は増えますが、ピークカットされる量も増えてしまいます。
過積載をする目的、対費用効果がしっかり見合っているものか必ず確認して適切な設計をしましょう!
これももちろん、シミュレーションで比較して適切な過積載率を設定することが必要です!
④メーカー保証の適用範囲外となる場合がある
メーカーによっては、接続できる太陽光パネル容量に制限を設けている場合があります。
これを確認せずに過積載設置を行うと、何かあった場合に保証が対象外になってしまったり、
そもそも太陽光発電機器の故障に繋がってしまう可能性もあります。
また、パワコンの動作範囲内であっても、保証は範囲外となるケースも一部ある場合がございます。
設計時に必ず保証範囲内で問題がなのかを確認するように心がけましょう!
⑤すでに稼働済みの太陽光発電設備の過積載には申請が必要
すでに認定が下りて稼動済みの設備に関して、勝手に過積載設計を行って工事をするのはNGです。
必ず設備内容の変更申請が必要となります。売電されている物件は特に注意が必要です。
設備内容の変更申請でパネル容量が増える場合は、申請した年度の売電単価で単価の再設定が行われます。
過去の高い売電単価の物件を過積載に変更することにより、より多くの売電収入を得ることはできないようになっています。
最後にどれくらいの過積載が良いのか? というお話になりますが・・・実に難しいところです。
というのも、目的や設置条件によって、目指すべき過積載率は様々となります。
例えば、春~夏のピーク時の発電量をカットしてでも、他季節の発電量をあげたい場合は
対費用効果をシミュレーションで確認しながら、130~180%で設計する場合がございます。
また、補助金を活用するために過積載率をなるべく少なくするパターンや、シミュレーションを加味して
200%以上の過積載を行う場合など様々なケースがございます。
(200%越えの過積載に対応できる機器・メーカーには限りがあります。)
過積載を行うとどうしてもピークカットが発生します。この点はぜひご留意ください。
一部の情報まとめサイトでは『パネル容量が倍になれば、発電量も倍になってその分利益が見込める』と
いった記載がある場合がございますが、ピークカットでのロスを計算していない場合がほとんどです。
設置目的や物件・設置条件によって適切な過積載率は変わってきます。
ぜひ太陽光発電設備を検討される際に、どこに・どのような目的で導入したいのか、などを
設計・施工店に相談して頂き、シミュレーションを加味しながら適切な量での設計を行って頂ければと思います。
今回は「太陽光発電の過積載」についてのお話でした。
太陽光発電業界ではすでに一般的な知識となっている『過積載』という言葉。
弊社のブログ上では今まで取り上げたことのなかった話題だったので、この機会に取り上げてみました。
『過積載』ってたまに聞くけど、どういうことだろう? と疑問に思われた方の参考になれば幸いです。
勢いで流されて、後で後悔しないためにも、しっかりと判断できるようになりたいものです。
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今回お話した『過積載』についても、設置目的や設置条件に応じて適切なものをご提案させて頂きます!
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本日もお読みいただきありがとうございました!