【ご存じですか?自家消費と余剰売電】
2025.03.06
みなさんこんにちは。テクノナガイソラーレ設計部の今野です。
太陽光の基礎知識、第二弾は「自家消費と余剰売電」についてです。
太陽光発電をご検討されているお客様には、発電した電気をどのように利用したいのか、という事を伺っております。
電気代削減に充てたいのか、はたまた売電し利益を得たいのか、お客様の想定されている用途は様々です。
その中で稀に勘違いをされている方がいるのが、「発電した電気は<使う>か<売る>かどちらか選ばなければならない」という事です。
おそらく過去の全量売電時代と混同されてしまっているのかもしれませんが、そんなことはありません!
~~目次~~
①高圧受電の法人様の余剰売電
②低圧受電の法人様・住宅の余剰売電
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《自家消費》とは
昨今電気代が高騰している影響もあり、現在太陽光発電の設置をご希望されるお客様の大半から「発電した電気を<使い>たい」という要望をいただきます。この利用方法は一般的に《自家消費》と呼ばれており、その名の通り発電した電気を自分たちのお家や会社で消費するというものです。
一度上がったものはなかなか下がらないことが多く、電気代についても、今後大きく単価が下がっていくという事は考えにくいのが実際のところです。上昇し続ける電気代をどうにかしたい!とお考えの場合は、自家消費型の太陽光の導入がその解決策になるかもしれません。
なお《自家消費》の場合、基本的に売電は行いません。それによるデメリットなどが発生する場合については、次の《余剰売電》で解決できるかもしれません。
《余剰売電》とは
1でご紹介した《自家消費》は、電気代高騰期の現在にはぴったりな利用方法でした。しかし中には、「家族が不在にしている日は発電した電気が使えない」「土日祝日は会社がお休みだから、電気使用量も減ってしまう」というお声を頂戴することもございます。
個人住宅のお客様や、事務所や小規模な工場・営業所などのお客様に多いお悩みです。
確かに《自家消費》の場合、もし発電をしているタイミングで電気を使っていなかったとすると、その発電した電気は行き場をなくし、全て捨ててしまうことになってしまいます(正確には発電に抑制がかかり、そのタイミングでは発電自体がされなくなります)。
せっかく発電できるのに、止めてしまうのは勿体ない・・・。どうにか使えないものか・・・?そんなお悩みを解決するのが、《余剰売電》という選択です。
余剰売電の最大のメリットは、上記の通り「電気を使うことも売ることもできる」という点です。これは住宅や事務所等の電気を使わないタイミングが定期的に発生する建物にとって、発電した電気を有効に利用できる選択肢となっています。特に個人住宅のお客様の場合、《余剰売電》を選択されるのが一般的です。
この「余剰売電」に関しては、その建物が「高圧受電(主に法人)」か「低圧受電(小規模の法人・住宅)」かで、申請や制度の取り扱いが大きく異なりますので、注意が必要となっています。
高圧受電の法人様の《余剰売電》
おそらく既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、売電をした際に電力会社が買い取ってくれる価格というのは、年々下がってきています。2024年度でいうと、10kW以上の売電単価は12円/kWです。
対して設置にかかる費用は1kWあたり12円以上となっており、売電を行ったからといって儲けが出るわけではありません。あくまで捨ててしまうだけの電気を有効に活用するための方法である、と考えていただけると幸いです。
またもう一つ、売電を行う場合は電力への申請期間が長くなる、という大きなデメリットが存在します。高圧受電の場合は、申請が完全に完了するまで少なくとも1年以上の期間がかかります。これだけの期間がかかる事業となりますので、「余る」電気がわずかな法人様であれば、思い切って《余剰売電》をせず、捨ててしまう方がいいかもしれません。そうすることで事業開始(発電開始)時期が早まりますので、早期に電気代の削減が可能です。
また法人様の場合、「補助金」の活用を検討されている方も少なくないと思います。すべてのケースではないですが、補助金を活用する時には《余剰売電》自体が禁止、という条件を課している場合も少なくありません。
法人様で《余剰売電》をご検討中のお客様は、ぜひこれらの点に注意してください。
低圧受電の法人様・住宅の《余剰売電》
低圧受電の法人様・個人(住宅)で太陽光の設置を検討されている場合、基本的に《余剰売電》にてご検討することをお勧めしております。
まず電力会社への申請の期間ですが、先ほどの「高圧受電」のケースと比較すると、申請期間は4~5カ月程度と比較的短く済み、早期に事業開始することが可能です。
また、来年度より売電(FIT制度利用)の価格が大きく変わる予定です。9月末までの申請の場合は15円/kWと変化ありません。
ですが10月以降に申請を行う場合は、最初の4年間は24円/kWhという高い価格で買い取りを行ってもらうことが出来、導入費用の回収を早めることが出来るようになります。
5年目以降は価格が下がってしまいますが、そのタイミングで蓄電池を導入し、今度は夜間の電気代削減に充てることで有効に活用することが出来るのです。
補助金などの条件がない限りは、《余剰売電》での導入をお勧めいたします。
《全量売電》とは
太陽光発電が話題になり始めたのは今から10数年ほど前ですが、当時は売電価格が40円前後と非常に高く、とにかく発電した電気をすべて売って儲ける!という方法が一般的でした。町を車で走っていると、ふとした土地に太陽光発電が設置されているのを目にしたことのある方も多いと思います。これらの多くが、当時売電のために設置された発電所です。
太陽光と言えば売電!という考えが残っているお客様からは、空いている土地に太陽光を設置して売電をしたいよ、というご要望をいただくこともゼロではありませんが、申し訳ございません、現在は《自家消費》の時代です!!ぜひ屋根への設置をご検討下さい!
太陽光事業を行う会社の中には、お客様の使用状況に合わない設計や、現実と乖離の大きいシミュレーションを行っていたりする場合もありますが、それではお客様のお悩みを十分に解決できるとは言えません。
弊社では、お客様の現在の電気使用量や契約内容等をヒアリングし、案件ごとに機器の選定から設計・シミュレーションを作成、お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案しております。担当営業が皆様のお悩み解決のサポートをしてまいりますので、安心してお任せ下さいませ。
ところで話は変わりますが・・・・・
実は弊社、系統用蓄電池という新しい事業にも取り組み始めている所です。コンテナ型の蓄電池を空いた土地に設置するのですが、そのための事業用地を大大大募集しております。細かい諸条件もありますので、お問い合わせいただいた際にご説明させていただければと思います。
空き用地の活用にお困りのみなさま、ぜひお問い合わせください!
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
それでは次回もお楽しみに~~~。
今野